昨年6月に当会が行ったアンケートに、関東からメールで回答してくださった女性の記述です。(毎日新聞全国版に掲載された記事を読んで)
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親亡き後の暮らし、困りごと・・・私が毎日新聞の服部さんの記事、写真を一枚見ただけで他人事ではないと思いました。私も服部さんとこども、年齢が近いです。娘は(精神障がいで)今回入院6回目です。今までは3か月くらいの入院ですぐ家に帰されました。今までは私の体力もあり3ヶ月で家に帰って自宅で娘を見ました。
しかし、今回初めて今のところ1年入院しています。
何故なら私は夫がいないで高齢の母親と同居。今回娘が(入院前に)被害妄想による私に対しての暴力や、家を出て徘徊しそうになるのを止めるのに、私は娘の強い力に負けそうになりました。つらかったです。今も涙が出ます。私も数年前に心臓が急に痛くなりいつどうなるかわかりません。(中略)
今、精神病院は国が病棟を減らそうとしています。グループホームは病院の近くにありますが2年たったら自宅に戻るか、一人暮らしかといわれますが、はたして2年でグループホームになれるともおもいません。長い時間をかけて親から離さないといけないと思います。そしてグループホームの数が少ない。国の考えは精神病院の病棟を減らして地域で生活とありますが、親は高齢でこどもを見られない。施設、グループホームは少ない。(中略)入院治療を終えて家に帰させるのはもう限界。無理です。今まで親が一生懸命したからこそ親の体が悲鳴をあげています。
今、私は切実に思います。心臓病はある日突然亡くなります。親が亡くなったあとのことがとてもしんぱいです。
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私たち重心だけでなく、精神障がいの親御さんも、(親の体が悲鳴を上げるまで)一生懸命子どもを支え続けてきました、しかし、体力の限界はそれを不可能にし、社会資源の不足に絶望し、それでもなお子どもを心配する親の心に苦悩されています。
この「道草」にも、強い行動障がいの人が自室で荒れるシーンがあります。ヘルパーだからこそ冷静に対処できるのではないかと、別室で見守る父親を見て感じました。
この形の一人暮らしが誰にでも最善とは思いません。
ただ、自治体による重度訪問介護の必要量の支給決定、長年支援続けてきた熱意とセンスにあふれた支援者による支援、ヘルパー派遣に応じる事業者という「困難を抱えた人をみんなで支える」という強い意志の集まりこそ社会福祉の原点だと、この映画を観て改めて感じています。
是非、ご覧になっていただきたい映画です。